《社長から「大学院」て単語がよく出るって話》
小川原は普段から頻繁に大学院の人と打ち合わせをしているので、よく小川原の口から「大学院の人とさ~」という話を聞きます。大学院で現役生と卒業生がつながる場をつくるためのイベントを企画したりしているそうです。
小川原が通っていた大学院は表参道にある「事業構想大学院大学」(社会人大学院)で、社会問題を事業で解決することを考える大学院です。小川原は、43歳の時にここに通っていたのですが、その理由はアーカイブが創業10年を迎える年だったことにあります。会社はよく30年と言われますが、当時、周りを見ると20年ほどで潰れる会社も多かったそうです。アーカイブもその半分の位置に来ていたわけですが、20年で潰れてしまった会社はビジネスモデルを変えずにずっと来たからだと小川原は考え、10年スパンくらいで変えていかないといけないのではないかと思い、このアーカイブの節目の新しいビジネスモデルを模索しにいくに至りました。
そもそも事業構想が何なのかというと、継続性があるものが事業であり(商売は単発でも商売)、事業構想は社会問題を解決するための事業にあたります。(ex.子育て支援を合わせた事業,衰退していく地方を活性化するための事業,天候問題を抱えた人を解決する事業)これからの事業は社会問題の解決と合わせて事業をやっていないと続かないし、誰も応援してくれない会社になってしまいます。そのため事業構想というものが必要になってくるのです。
小川原は、大学院に行って、アーカイブが何で10年間生きられたかの答え合わせをしに行ったわけですが、アーカイブが生き残れた理由はアーカイブがエンジニアの問題を解決していたからです。
エンジニアの問題とは、一人ひとりやりたいことが違うことです。やりたくない仕事をやりたくない上司とすることが多いのです。また、上司になると部下のマネジメントばかりになるから自分がエンジニアでなくなってしまうことも問題としてあります。より収入を上げるなら上の役職に就いたほうが得ですが、そうなるともともとしたかったエンジニアの仕事ができなくなってしまうので、仕事やお金の不満がエンジニアを不幸にしてしまっているのです。その仕事とお金を解決するための仕組みを考えたのがアーカイブです。アーカイブは社員のための会社作りを謳っていますが、それは小川原にとっては当たり前のことだったので、それだけで成功できたとは思っていなかったそうですが、社会人が通う大学院で、周りの人からアーカイブの離職率に驚かれ、社員のための会社をつくることを掲げているということにも驚かれたことで、普通はそれができないことなのだと気づかされたそうです。
「社員のため」の会社作りをしたいと思ってても、それを口に出すと後々景気が悪くなったりしたときに「景気悪いからごめん」が言えなくなってしまうので、なかなかそれを公言することは普通できないそうです。
大学院に行って小川原は自分のビジネスモデルが成功のカギだったことに気づいたわけですが、数年後はSESに加えて何かやっていくかもしれないが、社員のための会社作り、SES事業という本質は今後も変えずにいくつもりでいます。大学院で学んだロジックを生かせば大成功とまではいかなくても失敗はしないだろうと考えているので、求人モデル等は、17年前の形ではなく今の形にあったやり方を模索していきながらも、軸は揺らがない強い意思を持っています。
小川原の経営のロジックは、「これをしたら儲かるかもしれない」ではなく、社会問題をちゃんと考えて設計し、「何を解決したいのか?」という視点を忘れないことです。昔はファンを作ればいいといわれていましたが、今はファンを作るだけでなく、応援される会社にならないといけません。そのため、小川原は応援される自分、会社になるために日々社員のために、社会のために何ができるのかを模索しています。
小川原はこの大学院に行ったから得られた大きな財産があると語っています。
同期は勿論、縦の繋がりも含めた同志が数百人いることで、今後もしビジネスで困ることができたとき、その解決スピードは格段に速くなっていると実感しています。
冒頭にも言いましたが、大学院を卒業した今でも、小川原はイベント等を企画し、同期だけでなく先輩や後輩とも固く繋がっているので、社長という座に胡坐をかくことなく、お互い成長し協力しあえる環境を自らも作っているのです。
このコラムを読んでくださっている皆さんも、アーカイブに入社したら今までの会社の経営者とは一味違った環境下で働けることは間違いないでしょう。大学院で学んだことを忘れず、日々内外から学び続ける社長からは少し話すだけでも得られるものが多いと思います。
また、アルバイトという存在もいることで、社長だけでなく、若い世代から受ける学び、刺激もあることと思います。少しでも一緒に仕事してみたいなと思っていただけたら幸いです。